セミナー

むし歯は「感染症」ではなく「生活習慣病」?

先日、品川で開催された「カリオロジージャパンフォーラム2026」に参加してきました。「カリオロジー」は日本語で「う蝕学」と訳され、世界の最新研究をもとにむし歯を学ぶ分野です。

むし歯は「感染症」というより「生活習慣病」

フォーラムの冒頭で強調されていたのは、「むし歯は、うつる病気というより、生活習慣が大きく関わる病気だ」という考え方でした。専門の世界では以前から言われてきたことですが、世の中に広まるまでにはまだ時間がかかりそうだ、というのが率直な印象です。

今は、口の中の菌の有無だけでなく、食事の内容やとり方・唾液の性質・生活環境・ふだんのケアなど、その子のリスクを総合的に見ていく考え方に変わってきています。

「食器の使い回し」は、どう考えればいい?

2023年、日本口腔衛生学会から「むし歯予防という観点だけで見れば、食器の使い回しを過度に気にする必要はない」という趣旨の声明が出されています。

ここからは私(院長)個人の考えです。むし歯の観点では気にしすぎなくてよいとしても、口を通してうつる可能性が指摘されている感染症はむし歯菌だけではありません。ピロリ菌のように親から子へ感染しうるものもあり、そうしたリスクをすべて否定できるとは言い切れない以上、私自身は「積極的に使い回しをすすめる」とまでは言いにくいと感じています。あくまで私個人の見解で、医学的に確定した結論ではありません。

むし歯治療は「その子に合ったタイミング」で

もう一つ大切だと感じたのが、治療に踏み切るタイミングです。レントゲンの画像だけを見て画一的な治療計画を立てるのではなく、その子のリスクや生活背景まで理解したうえで、一人ひとりに合わせて「いつ治療するのがよいか」を決める。そんな歯科医院を目指したいとあらためて感じました。

まとめ

学んだことは、日々の診療にきちんと還元していきます。むし歯や歯みがき、お子さんの歯のことで気になることがあれば、いつでもご相談ください。

参考:日本口腔衛生学会「食器の共有とむし歯(う蝕)に関する声明」(2023年9月1日) https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/statement/file/statement_20230901.pdf

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